外科や内科では聞くこの「名医」と言う言葉。
なぜ精神科医ではいないのでしょうか。
精神科医と一言で言ってもいろんな人がいます。
じっくり話をきく、サクサク進める、強い口調で導くなど。
また、薬の出し方も実は人によってかなり違います。
一般的には弱めから徐々に増やしていくのですが、最初から強めで出してくる人など。でも患者さんによっても少量の薬ですぐに改善する人、強い薬を出されてもさっぱり聞かない人。さらに副作用が出て具合が悪いのに医師に何も言わない人、などさまざまです。
医師は患者さんの訴えをもとに処方を変えていくので、医師に遠慮して何も言えない人の場合、治療が難しくなってきます。威圧的な医師には何も言えないけど、なんだかほんわかした女性の医師だったら言えるかも、などと、それも医師のキャラクターによって、患者さんが話せることも変わってきます。
患者さんと医師との相性について考えるとき、プラセボ効果の話があります。
例として薬に「プラセボ効果」と言うものがあることをご存知ですか?
薬がただの小麦粉だったとしても、医師との信頼関係があると「3割」の治療効果がある事が知られています。
ですから一般的な治験(薬の効果を調べること)では4割以上の治療効果がなければ、薬として認められません。
精神科では自分にあった医師に出会えること、それが一番の治療なのです。
それは一人一人違います。
じっくり話を聞いてくれる先生がいいかもしれませんが、話を聞かれすぎることが不愉快に感じる人もいます。
優しい先生がいいかもしれませんが、強く導いてくれる方が合っている人もいます。
ですから、一つの病院を受診しただけで、「精神科に行ってもなんにもならない」などと、諦めて欲しくないのです。どうか自分が信頼を置ける医師に出会えるまで諦めないで欲しいのです。